【事務長の年収】役職手当・仕事内容・昇進の道筋

「事務職でキャリアアップしたいけれど、事務長ってどのくらい稼げるの？」そんな疑問をお持ちではありませんか？

事務職の最高峰ともいえる事務長の年収は、実は業界や勤務地によって大きく異なります。東京や大阪といった都市部では相場も変わってきますし、正社員か時給制かによっても給料の構造が変わってきます。

この記事では、事務長の年収相場から昇進ルート、そして実際に収入を上げるための具体的な方法まで詳しく解説します。「もっと年収を上げたい」「転職を考えているけれど難しい？」「未経験から何歳まで挑戦できる？」といった疑問にもお答えしていきますね。

 

1. 事務長とは

 

1.1 役職の定義

事務長とは、組織の事務部門全体を統括する管理職です。一般的な事務職員とは異なり、部下のマネジメントや予算管理、経営陣との連携など、幅広い責任を担います。

企業規模によって権限の範囲は変わりますが、事務業務の効率化や人事関連の判断、部門間の調整役として重要な役割を果たしています。

一般事務	主任・係長	事務長
定型業務中心	チームリーダー	部門全体の統括
個人の作業効率	小規模なマネジメント	戦略的な意思決定
上司への報告	中間管理的役割	経営陣との連携

 

1.2 主な職務

事務長の具体的な職務は多岐にわたります：

 

人事管理業務

• 事務職員の採用・配置・評価
• 労務管理と勤怠チェック
• 研修計画の立案・実施

 

予算・経理関連

• 部門予算の策定と管理
• 経費の承認・チェック
• 会計データの分析・報告

 

業務改善・効率化

• 事務フローの見直し
• システム導入の検討・実施
• 他部門との連携強化

これらの業務をこなすため、事務長には幅広いスキルと経験が求められるのです。

 

1.3 配属先の種類

事務長が活躍する場は様々で、それぞれ特徴があります：

病院・医療機関 医療事務の統括、患者対応の品質管理、診療報酬の管理など、専門性の高い業務が中心となります。

学校・教育機関 学生の履修管理、教職員のサポート、入試関連業務など、教育現場特有の事務処理を統括します。

一般企業 総務・人事・経理など、企業活動全般にわたる事務業務をマネジメントします。規模が大きいほど専門分化が進みます。

自治体・公的機関 住民サービスに関わる窓口業務の統括、各種手続きの効率化などを担当します。

 

2. 年収相場と手当

 

2.1 業界別相場

事務長の年収は業界によって大きく異なります。以下の表で具体的な相場をご覧ください：

業界	平均年収	東京相場	大阪相場
病院・医療	450-650万円	500-700万円	420-580万円
大学・教育	400-600万円	480-650万円	380-550万円
一般企業	500-800万円	600-900万円	450-700万円
自治体	550-750万円	600-800万円	520-720万円

 

正社員と時給制の違い

正社員の場合は上記の年収に加えて賞与も期待できますが、時給制（非正規雇用）の場合は時給1,800円～2,500円程度が相場となります。

ただし、時給制では賞与や退職金がないため、年収ベースで考えると正社員との差は大きくなります。

 

2.2 管理職手当

事務長には管理職手当が支給されることが一般的です：

基本給：25-35万円
管理職手当：3-8万円
その他手当：1-3万円
───────────────
月額総額：29-46万円

管理職手当の金額は組織の規模や業界によって変わりますが、月額3万円～8万円程度が相場です。大手企業や公的機関では8万円を超える場合もあります。

 

2.3 賞与額

事務長クラスの賞与は、基本給の3～6ヶ月分が一般的です：

 

業界別賞与相場

• 病院・医療：基本給の3-4ヶ月分
• 大学・教育：基本給の4-5ヶ月分
• 一般企業：基本給の4-6ヶ月分
• 自治体：基本給の4.5ヶ月分（規定あり）

年収を考える際は、この賞与部分も重要な要素となります。

 

3. 昇進ルート

 

3.1 主任・係長からの昇進

最も一般的なのは、事務職として入社し、主任・係長を経て事務長に昇進するルートです。

 

ステップ1：一般事務（1-3年） 基本的な事務スキルを身につけ、業務の流れを理解します。この段階では、正確性とスピードが重要です。

ステップ2：主任職（3-5年） 小規模なチームをまとめる経験を積みます。後輩の指導や簡単な判断業務も担当するようになります。

ステップ3：係長職（5-8年） より大きな責任を持ち、部門の一部を統括します。予算管理や人事評価にも関わるようになります。

ステップ4：事務長（8年～） 部門全体の責任者として、戦略的な判断を求められるようになります。

 

 

3.2 他部門からの登用

営業や技術部門から事務長に登用されるケースもあります。特に以下のような経験を持つ方が対象となることが多いです：

• 営業事務の経験がある営業担当者
• プロジェクト管理の経験がある技術者
• 人事や総務での管理経験者

この場合、事務業務の専門知識は入職後に学ぶことになりますが、マネジメント経験や業界知識が評価されます。

 

3.3 外部採用事例

即戦力として外部から事務長を採用するケースも増えています。

 

求められる条件

• 事務職での管理職経験3年以上
• 同業界での勤務経験
• 資格（簿記検定、社会保険労務士など）

 

外部採用の場合、前職での年収をベースに給与交渉ができることが多く、昇進ルートよりも短期間で高年収を実現できる可能性があります。

 

4. 年収アップ方法

 

4.1 業績評価

事務長として年収を上げるには、まず現在の職場での評価を高めることが基本です。

 

具体的な成果の示し方

• 事務処理時間の短縮（例：月次決算を5日→3日に短縮）
• コスト削減の実現（例：外部委託費を年間100万円削減）
• 部下の育成実績（例：資格取得者数の増加）

 

数値で示せる成果があると、昇給交渉の際に有利になります。

 

4.2 資格取得

事務長に有効な資格を取得することで、専門性をアピールできます：

 

おすすめ資格

資格名	効果	取得期間
簿記検定2級	経理知識の証明	3-6ヶ月
社会保険労務士	人事労務の専門性	1-2年
中小企業診断士	経営知識の習得	2-3年
秘書検定準1級	事務スキルの証明	2-4ヶ月

 

資格手当が支給される企業も多く、月額5,000円～30,000円程度の収入アップが期待できます。

 

4.3 他業界への転職

現在の業界で年収アップが困難な場合、より給与水準の高い業界への転職を検討するのも一つの方法です。

しかし、ここで重要なポイントがあります。事務職にこだわり続けるよりも、思い切ってITエンジニアへの転職を検討してみませんか？

 

なぜITエンジニアなのか？

事務長の年収が450-800万円程度に対し、ITエンジニアの年収は以下のような相場になっています：

 

未経験エンジニア（1年目）：300-400万円
経験2-3年：450-600万円
経験5年以上：600-900万円
スペシャリスト：800万円～

注目すべきは、未経験からスタートしても3-5年で事務長と同等以上の年収を目指せるという点です。

 

事務経験が活かせる理由

• 正確性と責任感
• 組織内でのコミュニケーション能力
• スケジュール管理や進捗管理のスキル
• 細かい作業への集中力

 

これらは全てITエンジニアの仕事でも重要な要素なのです。

 

5. 将来性

 

5.1 高齢化社会での需要

高齢化が進む中で、医療・介護分野での事務長需要は堅調に推移すると予想されます。特に病院や介護施設では、複雑化する制度への対応や効率的な運営が求められており、経験豊富な事務長の価値は高まっています。

 

5.2 業界再編の影響

一方で、多くの業界でDX（デジタルトランスフォーメーション）が進んでおり、従来の事務業務の自動化が加速しています。

 

変化する事務業務

• 定型業務→RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）による自動化
• 単純な計算・集計→AI技術の活用
• 紙ベースの業務→電子化・クラウド化

この変化により、従来型の事務長の役割は縮小していく可能性があります。

 

5.3 管理職の安定性

管理職である事務長のポジション自体は比較的安定していますが、求められるスキルは確実に変化しています。

 

今後必要になるスキル

• IT知識（システム導入・運用の理解）
• データ分析能力
• デジタルツールの活用
• 変革マネジメント

これらのスキルを身につけていない事務長は、将来的に市場価値が下がるリスクがあります。

 

だからこそ、ITエンジニアへの転職が有効

将来性を考えると、ITスキルを身につけることは必須になります。それなら、事務長を目指すよりも、最初からITエンジニアとしてキャリアを築く方が合理的ではないでしょうか？

 

ITエンジニアなら：

• 将来的に自動化される心配がない
• 常に需要が拡大している分野
• リモートワークなど柔軟な働き方が可能
• 年齢に関係なく技術があれば評価される

 

6. よくある質問（FAQ）

 

6.1 病院と学校で給与差は？

病院の事務長の方が年収は高い傾向にあります。具体的には以下のような差があります：

 

病院事務長

• 平均年収：500-650万円
• 賞与：基本給の3-4ヶ月分
• 特殊手当：医療事務手当など

学校事務長

• 平均年収：400-600万円
• 賞与：基本給の4-5ヶ月分
• 安定性：公立校の場合は公務員準拠

 

病院の方が専門性が高く、診療報酬制度への理解など高度なスキルが求められるため、給与水準も高く設定されています。

 

6.2 資格は必要？

事務長になるために必須の資格はありませんが、以下の資格があると有利です：

 

推奨資格

• 簿記検定2級以上：経理知識の証明
• 社会保険労務士：人事労務の専門知識
• 医療事務技能審査試験（医療機関の場合）

ただし、資格よりも実務経験とマネジメント能力の方が重要視される傾向があります。

 

6.3 定年後の再雇用は？

事務長経験者の定年後再雇用は、他の職種と比べて可能性が高いです：

 

再雇用の条件

• 健康状態が良好
• 豊富な実務経験
• 後進の指導能力

 

再雇用時の条件

• 年収：現役時の60-70%程度
• 勤務形態：週3-4日勤務など柔軟な働き方
• 役割：若手の育成やアドバイザー業務

一方、ITエンジニアの場合は年齢制限がより緩く、技術力さえあれば何歳まででも現役で活躍できるという大きなメリットがあります。

 

7. お問い合わせ・ご相談はこちらから

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事務職とITエンジニア、年収の比較

職種	1年目	3年目	5年目	将来性
一般事務	280万円	320万円	380万円	自動化リスク有
事務長	–	–	500万円	求人減少傾向
ITエンジニア	350万円	500万円	650万円	需要拡大中

 

 

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