【事務職の年収中央値】平均値との違いと活用法

年収

あなたは事務職の年収について、「自分の給料って平均的なの?」「周りと比べて多いのか少ないのかわからない」と悩んでいませんか?特に医療事務として働く方からは、「年収が低いことに不満がある」「転職を考えているけど、どの程度の年収が妥当なのか知りたい」といった声をよく聞きます。

そんなときに役立つのが「年収の中央値」という指標です。平均値よりも実態に近い数値を知ることで、適切な転職戦略やキャリアプランを立てることができるでしょう。

 

1. 中央値とは何か

1.1 定義

中央値とは、データを大きさの順に並べたときにちょうど真ん中に位置する値のことです。統計学では「メディアン」とも呼ばれます。

例えば、5人の年収が以下の場合:

  • A:250万円
  • B:280万円
  • C:320万円(←中央値)
  • D:350万円
  • E:400万円

この場合、中央値は320万円になります。

 

1.2 平均値との違い

平均値と中央値の最も重要な違いは、極端な数値の影響を受けやすいかどうかです。

指標 特徴 実用性
平均値 全ての数値を足して個数で割る 極端に高い・低い値に引っ張られやすい
中央値 データの真ん中の値 極端な値に影響されず、実態に近い

 

例えば、先ほどの5人の年収例で、E氏の年収が400万円から1000万円に変わった場合:

 

平均値の変化

  • 変更前:(250+280+320+350+400)÷5 = 320万円
  • 変更後:(250+280+320+350+1000)÷5 = 440万円

中央値の変化

  • 変更前:320万円
  • 変更後:320万円(変わらず)

このように、中央値は極端な値に影響されにくく、より現実的な年収水準を表していると言えるでしょう。

 

1.3 なぜ中央値が重要か

転職活動や年収交渉において中央値が重要な理由は3つあります。

 

現実的な給与水準の把握 平均値は一部の高収入者に引っ張られてしまうため、実際の多くの人の年収とかけ離れた数値になりがちです。中央値を見ることで、「実際に半分の人がこの金額以下」という現実的な水準を知ることができます。

適切な転職戦略の策定 自分の年収が中央値より上なのか下なのかを知ることで、転職時の年収交渉や転職先選びの基準を明確にできます。中央値以下であれば年収アップの余地があり、上であれば現在の条件を維持する戦略が適切かもしれません。

キャリア目標の設定 中央値をベンチマークとして、短期・中期・長期のキャリア目標を設定できます。例えば「まずは中央値を目指し、次に上位25%に入る」といった段階的な目標設定が可能になります。

 

2. 事務職の年収中央値データ

2.1 全国データ

厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに、事務職の年収中央値をご紹介します。

 

■ 事務職(一般事務)年収中央値(2024年)
・全体:312万円
・男性:340万円
・女性:295万円

この数字を見て、「思ったより低い」と感じる方もいるのではないでしょうか。実際、事務職は他の職種と比較して年収水準が低めに設定されている傾向があります。

 

職種別年収中央値比較

職種 年収中央値 事務職との差額
事務職 312万円
営業職 425万円 +113万円
エンジニア職 528万円 +216万円
専門職 468万円 +156万円

 

この表からわかるように、事務職からITエンジニアへの転職を実現できれば、年収を200万円以上アップさせることも十分可能です。

 

2.2 年代別

年代別の事務職年収中央値は以下の通りです。

 

■ 年代別事務職年収中央値
20代前半(22-24歳):265万円
20代後半(25-29歳):295万円
30代前半(30-34歳):315万円
30代後半(35-39歳):330万円
40代前半(40-44歳):345万円
40代後半(45-49歳):355万円
50代前半(50-54歳):360万円

20代の方にとって注目すべきは、事務職での年収の伸び率の低さです。20代前半から50代前半まで約30年間で95万円しか増えていません。年間3万円程度の昇給では、大幅な年収アップは期待しにくいのが現実です。

 

2.3 地域別

地域による事務職の年収中央値の差も無視できません。

 

都市部vs地方の年収中央値

地域 年収中央値 全国平均との差
東京都 365万円 +53万円
大阪府 335万円 +23万円
愛知県 328万円 +16万円
福岡県 295万円 -17万円
沖縄県 245万円 -67万円

 

地域差は最大で120万円にも及びます。ただし、生活コストも地域によって異なるため、単純に高い地域が良いとは言えません。転職を検討する際は、年収だけでなく住居費や物価も考慮した実質的な手取り額で判断することが重要です。

 

3. 中央値を使ったキャリア戦略

 

3.1 年収交渉

年収交渉において中央値データを活用する具体的な方法をご紹介します。

 

交渉時の根拠として活用 「業界の年収中央値が○○万円であることを考慮すると…」といった具体的なデータを提示することで、感情的ではなく論理的な交渉が可能になります。特に転職時の初回面接から最終面接にかけて、段階的に年収の話題を出す際に有効です。

適切な希望年収の設定 現在の年収が中央値以下の場合、まずは中央値レベルを目標に設定するのが現実的です。一方、既に中央値を上回っている場合は、上位25%(約380万円)を次の目標として設定するとよいでしょう。

交渉タイミングの見極め 年収交渉は転職活動だけでなく、現職での昇給交渉でも活用できます。人事考課面談や年度初めの目標設定面談などのタイミングで、中央値データを根拠として昇給を申し出ることができます。

 

3.2 転職市場分析

中央値データを使って転職市場を分析する方法をお伝えします。

求人票の妥当性判断 求人票に記載されている給与レンジが適切かどうか、中央値と比較して判断できます。明らかに中央値を大きく下回る求人は避け、中央値以上の求人に絞って応募することで効率的な転職活動が可能です。

業界・職種の将来性評価 複数年の中央値推移を見ることで、その業界や職種の将来性を予測できます。事務職の場合、ここ数年横ばいまたは微減傾向にあり、生成AIの普及により今後さらに厳しくなる可能性があります。

転職先業界の選定 他業界への転職を考える際、目標とする業界の年収中央値を事前に調べることで、転職後の年収水準を予測できます。特にIT業界への転職を検討している場合、システムエンジニアの年収中央値は528万円と事務職より200万円以上高く、大幅な年収アップが期待できます。

 

3.3 昇給計画

段階的な昇給計画を立てる際の指標として中央値を活用しましょう。

短期目標(1-2年) 現在の年収が中央値以下の場合、まずは中央値到達を目標に設定します。具体的には資格取得や業務効率化提案などで実績を積み、社内での評価向上を図ります。

中期目標(3-5年) 中央値を上回った後は、上位25%水準(380万円程度)を目指します。この段階では管理職への昇進や、より専門性の高い業務への異動などを検討する時期です。

長期目標(5年以上) 事務職での昇給には限界があることを認識し、より高収入が期待できる職種への転職を視野に入れることも重要です。特にITスキルを身につけてエンジニアへの転職を実現すれば、年収500万円以上も十分狙えるでしょう。

 

4. 中央値を上回るために

 

4.1 資格取得

事務職の年収アップに直結する資格を難易度と効果の観点から整理しました。

 

即効性の高い資格

資格名 難易度 年収アップ効果 習得期間目安
MOS(Microsoft Office Specialist) 10-20万円 1-3ヶ月
日商簿記2級 20-30万円 3-6ヶ月
医療事務技能審査試験 5-15万円 2-4ヶ月

 

ただし、これらの資格だけでは大幅な年収アップは期待できません。現在医療事務として働いている方の場合、これらの資格取得だけでは年収300万円台前半が限界となることが多いのが現実です。

 

本格的な年収アップを目指すなら

より大幅な年収アップを実現したい場合は、IT系の資格に挑戦することをおすすめします。

 

■ IT系資格の年収インパクト
・ITパスポート → 基礎知識として評価
・基本情報技術者 → 年収400-500万円レベル
・応用情報技術者 → 年収500-600万円レベル

4.2 スキル向上

年収アップに直結するスキルを身につける具体的な方法をご紹介します。

デジタルスキルの習得 生成AIや業務自動化ツールのスキルは、今後の事務職において必須となります。ExcelのVBAやGoogleAppsScriptなどを学ぶことで、業務効率化に貢献できる人材として評価が高まります。

データ分析スキル 単純な入力作業ではなく、データを分析して業務改善提案ができる人材は重宝されます。Excel関数やピボットテーブルの応用、簡単なSQLの知識があると年収アップにつながりやすくなります。

プログラミングスキル 本格的に年収アップを目指すなら、プログラミングスキルの習得が最も効果的です。PythonやJavaScriptなどの言語を学び、未経験からITエンジニアへの転職を実現すれば、年収を200万円以上アップさせることも可能です。

プログラミング学習において重要なのは、独学で挫折しないよう適切なサポートを受けることです。本やオンライン教材を使った独学も可能ですが、未経験の場合は挫折率が高いのも事実。効率的にスキルを身につけるためには、プロの指導を受けながら学習を進めることをおすすめします。

 

4.3 高待遇求人応募

年収中央値を上回る求人に効率的に応募するための戦略をお伝えします。

 

求人情報の見極め方 求人票で注目すべきポイントは給与レンジだけではありません。「昇給年1回以上」「賞与年2回以上」「各種手当充実」などの記載がある求人は、長期的に見て年収アップが期待できます。

業界選択の重要性 同じ事務職でも、業界によって年収水準は大きく異なります。

 

■ 業界別事務職年収比較
・金融業界:年収中央値 380万円
・IT業界:年収中央値 365万円
・製造業:年収中央値 330万円
・小売業:年収中央値 280万円

より高い年収を目指すなら、成長業界への転職を検討することが重要です。

応募戦略の最適化 現在の年収が事務職の中央値(312万円)以下の場合、まずは中央値レベルの求人に集中して応募することをおすすめします。一足飛びに高年収求人に応募しても、書類選考で落とされる可能性が高くなってしまいます。

段階的に年収を上げていくことで、最終的により高い年収を実現できるでしょう。

 

5. 将来性

5.1 年収水準の変化予測

事務職の年収が今後どのように変化していくかを予測してみましょう。

過去5年間の推移 2019年から2024年の事務職年収中央値の推移を見ると、ほぼ横ばいで推移しています。

2019年:306万円
2020年:308万円
2021年:309万円
2022年:311万円
2023年:312万円
2024年:312万円

年率0.4%程度の微増にとどまっており、物価上昇率を考慮すると実質的にはマイナス成長となっています。

 

将来予測 今後5年間の予測としては、以下の要因により事務職の年収水準は厳しい状況が続くと考えられます:

  • 生成AIによる定型業務の自動化
  • リモートワークの普及による地域間競争の激化
  • 業務のデジタル化による必要人員の削減

 

5.2 事務職需要

事務職の将来的な需要について、データを基に分析します。

求人数の変化 厚生労働省の職業安定業務統計によると、事務職の有効求人倍率は年々低下しています。

有効求人倍率 前年比
2020年 0.45倍 -0.05
2021年 0.38倍 -0.07
2022年 0.35倍 -0.03
2023年 0.32倍 -0.03
2024年 0.28倍 -0.04

 

求職者1人に対して0.28件の求人しかない状況が続いており、転職市場における競争は激化しています。

生成AIの影響 ChatGPTやClaude、Geminiなどの生成AIの急速な発達により、文書作成やデータ入力などの定型的な事務作業は大幅に効率化されています。今後3-5年で、現在の事務職の50-70%の業務がAIで代替される可能性があると予測されています。

 

5.3 働き方の多様化

一方で、事務職の働き方には新たな可能性も生まれています。

リモートワーク対応 事務職はパソコンがあれば場所を選ばずに働けるため、リモートワーク制度を活用した副業や複業が可能です。本業の収入が限られていても、副業で収入を補完することで総年収をアップさせることができます。

スキルベース事務職への転換 単純な入力作業から、データ分析やプロジェクト管理、社内システムの運用など、より専門性の高い事務職への転換が進んでいます。これらのスキルを身につけることで、年収アップの可能性が広がります。

異業界への橋渡し役割 事務職で培った業務フロー理解力や調整力を活かして、ITエンジニアやデジタルマーケター、プロジェクトマネージャーなどの職種にキャリアチェンジする例が増えています。

特にプログラミングスキルを身につけてITエンジニアに転職した場合、年収を200-300万円アップさせることも十分可能です。現在の事務職経験は、システム要件の理解や業務フローの設計において大きなアドバンテージになります。

 

6. よくある質問(FAQ)

6.1 中央値と平均どちらを見るべき?

転職活動や年収比較では、中央値を重視することをおすすめします

理由は以下の通りです:

中央値の方が実態に近い 平均値は極端に高い年収の人に引っ張られてしまい、「実際の多くの人の年収」からかけ離れた数値になりがちです。一方、中央値は「ちょうど半分の人がこの金額以下」という現実的な指標を示してくれます。

転職戦略に活用しやすい 中央値を基準にすることで、「まずは中央値を目指す」「中央値を上回ったので次は上位25%を狙う」といった段階的な目標設定が可能になります。

例外的に平均値も参考にする場面

  • 外資系企業やスタートアップなど、年収レンジが広い企業への転職を考える場合
  • 成果報酬型の職種(営業職など)への転職を検討する場合

 

6.2 業種別で差は?

業種による年収差は想像以上に大きいのが実情です。

 

事務職の業種別年収中央値

業種 年収中央値 全体平均との差
金融業 385万円 +73万円
情報通信業 368万円 +56万円
製造業 335万円 +23万円
卸売・小売業 285万円 -27万円
医療・福祉 275万円 -37万円

 

業種選択の重要性 同じ事務職でも、最高と最低で110万円もの差があります。転職を検討する際は、業種選択が年収に大きな影響を与えることを認識しておきましょう。

医療事務の場合 医療事務として働いている方は、他の業種と比較して年収が低めに設定されている現実があります。大幅な年収アップを実現するためには、業種転換も視野に入れることが重要です。

 

6.3 地域差は大きい?

地域による年収差は確実に存在し、その影響は無視できません。

 

主要都市圏の年収中央値比較

地域 年収中央値 生活コスト指数 実質年収
東京都 365万円 120 304万円
大阪府 335万円 105 319万円
名古屋 328万円 98 335万円
福岡 295万円 92 321万円

 

実質年収で判断することが重要 表面的な年収だけでなく、住居費や物価を考慮した実質年収で判断することが大切です。東京都は年収は最も高いものの、生活コストを考慮すると実質年収は必ずしも高くありません。

地方でも高年収を実現する方法 リモートワークが普及した現在、地方在住でも東京の企業で働くことが可能になっています。ITスキルを身につけてエンジニアとして働けば、地方在住でも年収500万円以上を実現することができるでしょう。

 

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※この記事で使用したデータは、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」等の公的統計を参考にしています。実際の年収は企業規模、地域、経験年数等により変動します。

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