経理事務への転職、未経験で採用される人とされない人の違い

手に職つけたい

最終更新日:2026年6月16日

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経理事務への転職で未経験が採用される人のイメージ

 

ひとことポイント
経理事務の未経験転職で落ちる理由の多くは「スキル不足」ではなく「企業側のリスク感」。採用担当者が何を懸念しているかを知れば、対策の方向が大きく変わります。

 

「簿記の資格がないと無理かな」「数字が苦手でも経理って転職できるのかな」——経理事務への転職を考えながら、こんな不安を抱え始めている方も多いのではないでしょうか。

 

正直なところ、経理事務は未経験でも転職できる職種です。ただし、「なんとなく応募していれば受かる」ほど甘くもありません。採用される人とされない人の間には、スキルよりも「伝え方」と「企業側の懸念を解消できているか」という差があります。

 

この記事では、経理事務の未経験転職の実態と求人倍率データ、企業が未経験者に抱く本音の懸念と対処法、そして面接で必ず聞かれる質問へのそのまま使える回答例をまとめました。

 

最後の章では、経理にこだわらず収入を上げる選択肢も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

 

 

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経理事務への転職、未経験だと正直どのくらい難しい?

「未経験歓迎」という求人は存在するものの、他職種と比べると間口は狭めです。とはいえ、「難しい」の中身を分解すると、対策の方向が見えてきます。

 

未経験可の求人は少ないが、ゼロではない

経理事務は専門職という位置づけが強く、即戦力を求める求人が多い職種です。

 

会計事務従事者の有効求人倍率は0.59倍で、職業全体(1.25倍)と比べて半分以下というのが現実です(出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」)。

 

ただし、中小企業やスタートアップ、バックオフィス人員が不足している企業では「簿記3級あれば歓迎、未経験可」という求人も一定数あります。「未経験では絶対に無理」ではなく、「応募できる求人を正しく探せるかどうか」の問題です。

 

つまり、大手求人サイトで「経理事務 未経験」と検索してヒット数が少なくても諦める必要はありません。非公開求人を扱う転職エージェントを使うと、選択肢が一気に広がります。

 

年齢・経歴で採用難易度は変わる

未経験での経理転職は、20代前半と30代以降では戦い方がまるで変わります。

 

年代・状況 採用されやすさ 主な評価軸
20代前半(第二新卒・フリーター) 伸びしろ・定着意欲
20代後半(異職種経験あり) スキルの棚卸し・動機の説得力
30代以降 即戦力性・経験との関連性

 

20代であれば「ポテンシャル採用」の対象になりやすく、簿記の資格を持っていなくても面接で学習意欲を伝えることで通過できるケースが珍しくありません。一方、30代以降は「教えれば動けます」より「この部分は経験で対応できます」という具体性が求められます。

 

経理事務員の年収相場(厚労省R6年データ)

「経理に転職して、結局いくらもらえるのか」——応募を考えるうえで一番気になる部分です。経理事務員に近い「事務的職業」の平均月収・年収を年齢別に見ると、次のようになります。

 

年齢 月収(千円) 年収換算
20〜24歳 232.5 約279万円
25〜29歳 267.2 約321万円
30〜34歳 299.5 約359万円
35〜39歳 328.7 約394万円
40〜44歳 351.4 約422万円

 

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

 

未経験スタートだと年収270〜300万円台が多く、決算業務を一通り経験して年収350〜450万円台に乗ってくるイメージです。「経理に転職すれば一気に年収が上がる」というよりは、「専門性を積み上げた年数分だけ伸びる」職種だと考えておくと現実とのズレが少なくなります。

 

つまり、年齢ごとの「どこから戦うか」と「どのくらいで何万円に届くか」を先に押さえておくと、応募先選びの精度が変わってきます。経理事務員の仕事内容・年収アップの方法をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になります。

 



 

👉

経理事務の有効求人倍率は0.59倍と職業全体の半分以下。難しさの正体は「求人が少ない × 即戦力志向」。次は企業側が未経験者を見送る本音の理由を見ていきましょう。

 

 

企業が未経験の経理志望者に抱く懸念と、その対処法

「なぜ落ちているのかわからない」——書類で落ち続けている方ほど、自分のスキル不足を疑いがちです。ただし、採用担当者の頭の中には、応募者が想像していない懸念がいくつもあります。企業側の本音を3つ紹介します。

 

懸念① 実務で求められる正確性・責任感がある人か

経理事務は毎日数字を扱い、ミスが許されない場面が多い職種です。「数字が苦手な人が入ってきて、処理ミスや確認漏れが続いたら困る」——採用担当者の頭の中には、こういう不安が常にあります。

 

面接で「数字が得意ですか?」と直接聞かれないとしても、この懸念は必ず頭の中にあると思ってください。

 

対処法:具体的な「丁寧さ・確認する癖」をエピソードで話す

「数字が得意です」ではなく、「確認を怠らないエピソード」を話すのがポイントです。

 

⭕ 使える発言例

「アルバイトで売上の日次集計を担当していました。記入ミスがないか必ず2回確認してから提出する癖があり、店長から正確さを評価されていました。経理でもこの確認の癖を活かせると思っています」

 

「数字が好き」より「ミスをしない仕組みを持っている」のほうが、採用担当者には刺さります。

 

懸念② 「すぐ辞めるかもしれない」

経理事務は業務を覚えるまでに時間がかかります。月次・年次のサイクルをひととおり経験するには最低でも1年かかるため、採用コストに見合わない早期退職を採用担当者は一番恐れています。

 

フリーター歴がある・転職回数が多い・職歴に空白がある場合は、この懸念を持たれやすいです。

 

対処法:「なぜこの会社で長く働くのか」を具体的に語る

「長く働きたいと思っています」だけでは正直弱いです。「なぜこの会社でなのか」に具体性を持たせると、印象がぐっと変わります。

 

⭕ 使える発言例

「前職では〇〇を担当していましたが、数字で経営を支える仕事に興味を持ちました。御社の事業規模と業種は、経理として専門性を長く積み上げるのに向いていると感じています。腰を据えて取り組みたいと考えています」

 

企業の事業や業種に触れることで「調べてきた」という印象になり、定着意欲が伝わります。

 

懸念③ 「教える工数が読めない」

未経験者を採用すると、仕訳の基礎から教えるコストが発生します。採用担当者にとって「どのくらいで戦力になるか」が見えないのは、採用判断を下しにくくさせる大きな要因です。

 

簿記の資格がない場合は特に「いつまで教え続けないといけないのか」という懸念につながります。

 

対処法:学習の進捗を先に見せる

「これから勉強します」より「今勉強中です」のほうが、採用担当者の安心感はまるで違います。

 

⭕ 使える発言例

「現在、簿記3級の取得に向けて勉強中で、来月の試験を受ける予定です。テキストで仕訳の基礎は理解できてきており、入社後は実務でキャッチアップしていきたいと考えています」

 

試験の予定日まで言えると「本気で準備している人」という印象を作れます。簿記3級レベルの勉強は独学でも3〜4ヶ月で十分仕上がります。

 

企業側の本音がわかれば、次は「落とされる人」にならないために押さえるべきポイントが見えてきます。経理事務への転職を全体像で押さえたい方は、転職ガイドも参考にしてみてください。

 



 

👉

企業が抱える3つの懸念(正確性・早期離職・教育コスト)を先回りで潰せると、書類通過率は大きく変わります。

 

 

採用される人・されない人の決定的な違い

経験やスキルが似ていても合否が分かれるのは、採用担当者が書類や面接で見ているポイントを押さえているかどうかです。

 

採用される人の共通点3つ

未経験で経理事務に採用される人には、共通した特徴があります。

 

① 「なぜ経理か」に具体的な理由がある

漠然と「事務職がしたい」ではなく、「数字を通じて経営を支える仕事がしたい」「前職で〇〇を担当した経験から、バックオフィス業務に興味を持った」という具体性があります。

 

② 勉強していることを先に提示している

簿記3級の勉強中・Excelの関数を練習中など、採用後の即戦力化に向けた動きを見せています。

 

③ 丁寧さ・几帳面さをエピソードで話せる

「几帳面です」と言うだけでなく、「〇〇の場面でこういう確認をしていた」という具体的なエピソードを持っています。

 

書類・面接で落とされる3パターン

パターン①:志望動機が「安定していそうだから」

採用担当者が最も多く聞くパターンです。安定を求める気持ちは伝わりますが、「なぜ経理で、なぜこの会社か」がないと印象に残りません。

 

パターン②:「簿記の勉強はこれからします」

入社後に勉強する気持ちは評価されますが、「今すでに動いている人」と比べると見劣りします。1〜2週間でも勉強を始めてから応募するほうが、書類通過率は明らかに変わります。

 

パターン③:条件重視の逆質問をしてしまう

「残業はどのくらいありますか?」「有給は取りやすいですか?」を面接の最後に聞くと、「条件目的で来ている」という印象になりがちです。逆質問は「業務内容や担当範囲」に関するものにするのが安全です。

 



 

👉

採用される人は「準備が見える人」。志望動機の具体性・勉強の進捗・几帳面さのエピソードの3点セットで通過率が上がります。

 

 

面接で必ず聞かれる質問への回答例

「聞かれるとわかっているのに、うまく答えられない」——経理事務の面接でよく出る質問と、そのまま使える回答例をまとめました。

 

「なぜ経理事務を志望したのですか?」

採用担当者が知りたいのは「経理が好き」ではなく、「なぜ経理で、なぜうちの会社か」です。

 

❌ 弱い回答例

「コツコツとした作業が得意で、数字を扱う仕事が向いていると思ったので志望しました」

 

→ 全員が言うパターン。印象に残りません。

 

⭕ 改善後の回答例

「前職で〇〇を担当していた際、月次の売上報告書を作成する機会があり、数字で業績を把握して報告する仕事のやりがいを感じました。その経験から、経営を数字で支えるポジションとして経理事務を目指すようになりました。御社の〇〇業界での事業を、経理として長く支えていきたいと思っています」

 

「簿記の資格はお持ちですか?」(ない場合)

資格がないことは正直に話しつつ、「今動いている」という事実で印象を変えます。

 

❌ 弱い回答例

「まだ持っていませんが、入社後に取得する予定です」

 

⭕ 改善後の回答例

「現在、簿記3級の取得に向けて勉強中で、〇月の試験を受ける予定です。仕訳の基礎は理解できてきており、実務を通じて実力をつけていきたいと考えています」

 

試験の日程まで言えると「本気度」が伝わります。

 

「未経験でなぜ経理を選んだのですか?」

この質問には「納得できる理由」と「準備の具体性」の両方が必要です。

 

⭕ 回答例

「前職では〇〇をしていましたが、数字で管理する業務が自分に向いていると感じる場面がありました。経理事務は専門性を積み上げられる仕事なので、長く働くうえでの軸にしたいと思い、未経験ながら志望しました。現在は簿記3級の勉強を進めており、入社後は早く戦力になれるよう準備しています」

 

「未経験だから不安」を逆手に取って「だから準備している」という流れにすると、誠実さが伝わります。同じ回答でも、年齢や経歴によって響き方が変わります。事務系の面接対策をより詳しく知りたい方は、こちらの記事も役立ちます。

 



 

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年代・状況別の動き方

「あなたはどのケース?」——未経験での経理転職は、年齢・経験によって戦い方が変わります。

 

20代前半(フリーター・第二新卒)

ポテンシャル採用の対象として見てもらえる時期です。スキルより「学ぶ姿勢」と「定着してくれそうか」が評価軸になります。

 

簿記3級の勉強を始めてから応募するだけで、同世代のライバルとの差別化になります。転職エージェントを使うと、非公開の未経験可求人にアクセスできるため、大手サイトだけで探すより選択肢が広がります。

 

20代後半(異業種からのキャリアチェンジ)

前職の経験を「経理に活かせるスキル」として棚卸しするのがポイントです。「前職では営業でしたが、売上データの管理や経費申請の処理を担当していました」のように、経理につながる業務経験を言語化することで「完全未経験」より有利に戦えます。

 

「なぜ今のタイミングで経理か」への説得力ある答えも欠かせません。「なんとなく事務系に転職したい」では弱く、「バックオフィスとしてチームを支える仕事を軸にキャリアを作りたい」という前向きな理由があると評価が変わります。

 

30代以降

即戦力性が求められます。「教えてもらえれば動けます」ではなく「この部分なら経験を活かして即対応できます」という具体性を示せると強いです。

 

紹介予定派遣を活用するのも現実的な選択肢です。最初から正社員にこだわると間口が狭くなるため、「まず派遣で実績を作ってから正社員登用を目指す」という戦略が30代以降には向いていることがあります。

 

ここまで経理事務の戦い方を見てきましたが、「経理にこだわりすぎず、収入を上げる別ルートも知っておくとリスクが減る」という視点も大事です。次のセクションでは、視野を広げる選択肢を紹介します。

 

👉

年代によって武器が変わります。20代前半は伸びしろ、20代後半は棚卸し、30代は即戦力性を前面に出すのが現実的です。

 

 

経理にこだわらず収入を上げるなら、IT転職という選択肢

経理事務への転職を進める中で、「なかなか採用に至らない」「収入を上げたいけど経理では時間がかかる」と感じたら、一度視野を広げてほしい選択肢があります。

 

実は、経理にこだわらないほうが収入の伸びは早いケースが多いです。情報通信業(IT業界)の年齢別年収を見ると、その差は無視できません。

 

年齢 情報通信業(年収換算) 事務系全体(年収換算)
20〜24歳 約299万円 約279万円
25〜29歳 約345万円 約321万円
30〜34歳 約420万円 約359万円
35〜39歳 約469万円 約394万円

 

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査

 

30代では年収差が60〜75万円ほどに広がります。経産省「IT人材需給に関する調査」では、2030年にIT人材が約79万人不足するとされ、生成AIを扱える人材の需要は今後さらに伸びる見通しです。

 

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よくある質問(FAQ)

 

Q1. 経理事務は未経験でも転職できますか?

できます。ただし会計事務従事者の有効求人倍率は0.59倍と職業全体(1.25倍)の半分以下のため、転職エージェントを活用して非公開求人にアクセスするのが現実的です。20代であればポテンシャル採用の対象になりやすく、簿記3級の勉強を始めてから応募すると採用率が上がります。

 

Q2. 簿記の資格がないと経理事務への転職は無理ですか?

無理ではありません。「勉強中です」「来月試験を受けます」という状態で応募するほうが、「これから勉強します」より採用担当者の印象は大きく変わります。簿記3級は独学でも3〜4ヶ月で取れるので、勉強を始めてから応募するのが現実的です。

 

Q3. 経理事務の未経験スタートの年収はどのくらいですか?

未経験スタートの場合、年収は270〜320万円前後が多いです。経験を積んで決算業務を担当できるようになると年収350〜450万円台に上がりやすく、さらに専門性を高めると500万円以上も狙えます。即戦力でないと最初の年収は低めになると考えておくと、入社後のギャップが少なくて済みます。

 

Q4. 数字が得意ではなくても経理事務になれますか?

なれます。経理事務に必要なのは「高度な計算力」ではなく、「確認を怠らない丁寧さ」と「ルールどおりに処理する几帳面さ」です。面接では「数字が好き」より「ミスをしない確認の習慣がある」というエピソードを話すほうが、採用担当者には3倍刺さります。

 

Q5. フリーターから経理事務への転職はできますか?

できます。特に20代前半であれば、フリーター歴があってもポテンシャル採用の対象として見てもらえるケースがあります。簿記3級の勉強を開始した状態で転職エージェントを活用するのが、もっとも現実的な動き方です。

 

Q6. 経理事務は転職後に残業が多いですか?

決算期(月次・年次)は残業が増えます。月次決算がある月末〜月初と、年次決算がある3〜4月は月30〜40時間の残業になりやすいです。その時期を除けば定時近くで上がれる会社も多く、年間を通じると比較的ワークライフバランスは取りやすい職種です。

 

Q7. 30代でも経理事務への未経験転職はできますか?

できます。ただし20代より難易度は1〜2段階上がります。前職での事務経験・数字を扱った業務経験を棚卸しして「完全未経験ではない」部分を整理することと、簿記2級以上の取得が有効です。紹介予定派遣で実績を積んでから正社員登用を目指すルートも選択肢の一つです。

 

Q8. 簿記2級は経理事務の応募に必須ですか?

必須ではないケースもあります。中小企業や成長企業では「簿記3級+実務エピソード」で書類通過する事例も多く、2級にこだわって半年〜1年応募を遅らせるくらいなら、3級で先に応募を始めたほうが結果につながりやすいです。30代以降や上場企業の経理は2級が事実上の前提になりやすいので、自分のターゲット企業によって判断するのが現実的です。

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伊藤雄介

この記事の監修者伊藤雄介

  • 国家資格キャリアコンサルタント(登録番号:20038298)
  • 東京ITスクール 7つの習慣ファシリテーター
リクトレ編集部

この記事の編集者リクトレ編集部

IT転職・就活に特化したメディア「リクトレ」の編集部。未経験からのキャリアチェンジに役立つ情報を発信しています。

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