保育士の給料はいくら?平均年収・手取りから給与アップの方法まで徹底解説

働き方

「保育士の仕事は大好きなのに、給料がもう少し上がれば…」

「このまま続けていて、生活は大丈夫かな?」

そんな悩みを抱えながら働いている保育士さんは、実は少なくありません。子どもの成長を支えるやりがいのある仕事でありながら、「給料が安い」「割に合わない」という声もよく聞かれます。

でも、今の給料が”ゴール”ではありません。経験やキャリア、制度の活用次第で、給与を確実に上げていくことは十分に可能です。

この記事では、保育士の平均年収・手取り額の実態から、年齢・経験・地域・公立私立による違い、そして処遇改善策やキャリアアップ制度を使った給与アップの具体的な方法まで、丁寧に解説します。「何をすればいいのか」がわかる内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

 

保育士の給料の実態:平均年収と手取り額

 

平均年収は約407万円、手取りは月21〜24万円

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)によると、保育士の平均年収は約407万円(各種手当・賞与込み)。月給に換算すると約28万円、賞与は年間60〜80万円程度が加算された額です。

実際に手元に残る手取り額は、年収から社会保険料・所得税・住民税などを差し引いた金額です。一般的に手取りは年収の75〜85%程度とされるため、年収407万円の場合、月々の手取りは約21万円〜24万円が目安となります。

この金額を多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、重要なのは「今の金額が固定ではない」ということ。経験年数や役職、制度の活用によって、給与は着実に上げられます。

 

 

年齢・経験・役職で給与はどう変わる?

 

年齢別の給与水準

年齢が上がるほど経験も増え、給与も上昇する傾向があります。

年齢層 平均月収(各種手当込み) 想定年収(賞与含む)
20代前半 20〜24万円 300〜350万円
20代後半 22〜26万円 330〜380万円
30代前半 24〜28万円 360〜420万円
30代後半 26〜30万円 390〜450万円
40代以降 28〜35万円以上 420〜500万円以上

(※地域・施設規模・公立私立によって異なります)

 

20代のスタートは決して高くありませんが、30代・40代と経験を重ねるにつれて責任あるポジションを任され、給与も上がっていきます。長期的に見れば、着実に昇給できる職種です。

 

経験年数別の給与水準

経験年数 平均月収(各種手当込み) 想定年収(賞与含む)
1〜3年未満 19〜23万円 280〜340万円
3〜5年未満 21〜25万円 310〜370万円
5〜10年未満 23〜28万円 340〜420万円
10年以上 26〜35万円以上 390〜500万円以上

(※あくまで目安です)

 

経験年数が増えると、役職への登用機会も増え、それが給与に直結します。「今は低くても、将来の自分への投資期間」と捉えることが大切です。

 

役職別の給与水準

役職に就くことで、手当が加算され給与は大きく変わります。

役職 想定年収(賞与含む)
一般保育士 300〜400万円
職務分野別リーダー 350〜450万円
専門リーダー 400〜500万円
副主任保育士 400〜550万円
主任保育士 450〜600万円
園長・施設長 550〜800万円以上

 

特にキャリアアップ制度を活用して副主任や主任を目指すことは、給与アップへの最も現実的な道筋のひとつです。

 

 

地域・公立私立で給与はどう違う?

 

地域別の給与差

都市部と地方では給与水準に明確な差があります。

地域 平均年収(目安) 特徴
関東圏(東京・神奈川など) 400〜450万円以上 全国トップクラスの給与水準。求人も豊富
関西圏(大阪・兵庫など) 380〜430万円 関東に次ぐ水準。地域差も大きい
東海圏(愛知など) 370〜420万円 比較的安定した水準
その他地方都市 350〜400万円 主要都市よりやや低め
地方 300〜350万円 給与は低めだが生活費も低く、手当が充実している園も

 

転職で引っ越しを検討する際は、給与だけでなく家賃・物価も含めた生活コスト全体で判断することが重要です。

 

公立保育士と私立保育士の違い

公立保育士は地方公務員として働くため、給与は地方公務員法に基づきます。私立保育士は各法人の規定によって異なります。

項目 公立保育士 私立保育士
給与体系 地方公務員規定に準ずる 各法人・運営主体の規定に準ずる
安定性 非常に高い(公務員の身分保障) 運営母体による
昇給 年功序列で着実に昇給 人事評価・経営状況による
賞与 公務員規定で安定支給 園の経営状況による
手当 住宅手当・扶養手当など充実 園によって異なる
福利厚生 充実していることが多い 園によって異なる
異動 定期的な異動がある場合が多い 基本的に異動なし

 

公立は安定性・長期的な昇給が強み。ただし採用試験の難易度が高く、異動もある点を理解した上で検討しましょう。私立は園によって待遇に差があるものの、自分のスキルや熱意が評価されやすい傾向があります。

 

 

給与アップのために今すぐできること

 

①国の処遇改善制度をフル活用する

政府は保育士の給与引き上げのために、「保育士・幼稚園教諭等処遇改善加算」という制度を実施しています。これは、園が国から補助金を受け取り、保育士の給与に上乗せする仕組みです。

処遇改善等加算Ⅰ:全ての保育士を対象に、平均3%程度の給与改善を目的としています。

処遇改善等加算Ⅱ:役職に応じた手当の上乗せが行われます。副主任・専門リーダーには月額4万円程度、職務分野別リーダーには月額5千円〜2万円程度の改善が見込めます。

まず確認すべきこと: 自分の園がこれらの加算を適切に活用しているかどうか。もし給与に十分に反映されていなければ、園長や法人に確認・相談することが第一歩です。

 

②自治体の支援制度を調べる

国の制度に加え、各自治体も独自の支援策を設けています。

  • 家賃補助・宿舎借り上げ制度:都市部では特に有効。実質的な手取り増になります
  • 就職準備金・奨学金返済支援:新規就職者・養成校卒業者向けの一時金や返済支援
  • 復職支援研修:一度現場を離れた保育士が戻りやすい環境を整備

内容は自治体によって大きく異なるため、お住まいの地域の自治体公式サイトで最新情報を確認するようにしましょう。

 

③キャリアアップ制度で役職手当を狙う

2017年から導入されたキャリアアップ制度は、経験や専門性に応じた役職と給与を明確に結びつける仕組みです。以下の3つの役職を目指すことが、給与アップへの具体的なルートになります。

 

職務分野別リーダー(経験年数概ね3年以上)

「乳児保育」「障害児保育」「食育・アレルギー対応」など8分野から1つ以上を選び研修を受講。月額5千〜2万円程度の手当が期待できます。

 

専門リーダー・副主任保育士(経験年数概ね7年以上)

さらに専門性を高め、園全体の保育の質向上に貢献する役職。月額4万円程度の手当が期待できます。

 

キャリアアップのための具体的なステップ

  1. 自分が伸ばしたい分野を決める(例:「乳児保育を専門にしたい」「保護者支援に強くなりたい」)
  2. 園のキャリアアップ制度を確認する(研修の有無・対象役職など)
  3. 積極的に研修を受講する(専門知識の習得+他の保育士との横のつながりにもなる)
  4. 現場でリーダーシップを発揮する(研修内容を実践・共有し、園への貢献を示す)

この積み重ねが、昇給・役職登用への道を開きます。

 

④労働環境・福利厚生の「実質的な価値」を見直す

給与アップは額面だけではありません。福利厚生の充実は、実質的な手取りアップと同じ効果があります。

  • 住宅手当・通勤手当:生活費負担を大きく軽減できる
  • 退職金制度:長期的に働く上で重要。私立では園によって有無が異なる
  • ICT導入による残業削減:連絡帳デジタル化・登降園管理システム導入で事務負担が軽減
  • 研修費用・資格取得支援:将来の昇給につながる自己投資を会社が負担してくれる

転職先を選ぶ際は、基本給だけでなく手当・賞与・福利厚生を含めた「総合的な待遇」で比較することが大切です。

 

 

給与アップを目指すキャリアパスの選択肢

保育士としての給与を上げる道は、一つではありません。自分のライフスタイルや強みに合わせて、以下のような選択肢から考えてみましょう。

① 現場での昇進・昇格

職務分野別リーダー → 専門リーダー → 副主任 → 主任 → 園長というルート。最も一般的で、着実に給与アップを見込めます。

 

② 専門性の追求

療育・英語教育・食育など特定分野のスペシャリストになることで、専門手当や昇給の交渉材料になります。

 

③ より条件の良い園への転職

企業内保育所・認定こども園・乳児院など、給与水準が高めの施設への転職も有効です。転職の際は、保育士専門のエージェントを活用すると、非公開求人の紹介や給与交渉のサポートを受けられます。

 

④ 公立保育士を目指す

地方公務員としての安定した給与体系が魅力。採用試験はあるものの、長期的な安定を重視する方に向いています。

 

 

転職で給与アップを狙うときの注意点

転職は給与アップの有力な手段ですが、慌てると失敗することも。以下の点をしっかり確認しましょう。

  • 求人票の給与内訳を細かくチェック:基本給・固定残業代・各種手当が明記されているか
  • 賞与の支給実績を確認:「支給あり」でも実績が少ない園もある
  • 残業・持ち帰り仕事の実態を調べる:口コミサイトや見学時に確認
  • 雇用契約書を必ず読む試用期間中の給与・退職金制度・労働時間を確認
  • 給与額だけで判断しない:労働環境・人間関係・キャリアアップの仕組みを総合的に判断する

 

 

よくある質問(Q&A)

 

Q1. 保育士の給料は今後上がっていくのでしょうか?

A. 改善傾向にあります。政府は保育士の処遇改善を重点課題としており、2022年2月には月額9,000円の給与引き上げが実施されました。2024年度以降も継続的な改善が予定されており、キャリアアップ制度の普及とあわせて、努力が給与に反映されやすい環境が整いつつあります。保育士不足の解消のためにも、今後も処遇改善の取り組みは続くと見込まれています。

 

Q2. 給料が高い保育園の特徴はありますか?

A. 以下のような特徴がある園は、給与水準が高い傾向にあります。

  • 都市部(特に首都圏)の保育園:物価・最低賃金が高く、給与も高め
  • 大手法人・大規模社会福祉法人が運営する園:経営基盤が安定しており福利厚生も充実
  • 処遇改善加算を積極活用している園:国の補助金を保育士の給与に適切に反映している
  • 公立保育園:安定した給与体系と手厚い手当が魅力
  • 専門的な保育(英語・モンテッソーリなど)を提供する園:専門性が給与に反映される場合がある

求人を見る際は、賞与実績・各種手当・福利厚生・昇給の仕組みも必ず確認しましょう。

 

Q3. 未経験やブランクがあっても給料アップは目指せますか?

A. 十分に可能です。

未経験の場合: 最初は給与が低めでも、積極的に学び経験を積むことで着実に昇給できます。キャリアアップ研修を早めに受講し、3〜5年で職務分野別リーダーを目指すプランが現実的です。

ブランクがある場合: これまでの経験は決して無駄ではありません。自治体の復職支援研修を活用しながら現場感覚を取り戻し、過去の経験を強みとしてアピールすることで、スムーズに給与アップのキャリアを再スタートできます。

どちらの場合も、研修制度が充実した園・未経験者歓迎の園を選ぶことが、成長と給与アップを両立するポイントです。

 

まとめ:保育士の給料アップは「制度×行動」で実現できる

保育士の給料に関する重要なポイントを整理します。

 

① 保育士の平均年収は約407万円(手取り月21〜24万円)で、年齢・経験に応じて着実に増加する

スタート時の給与が低くても、経験年数と役職が増えることで、50代には500万円を超えるケースも珍しくありません。

 

② 国や自治体の処遇改善策・キャリアアップ制度を活用することで、給与の上乗せが期待できる

副主任・専門リーダーの役職手当(月額4万円程度)は、年収換算で約48万円の差になります。制度を知っているかどうかで、収入に大きな差が生まれます。

給与への不満や不安は、多くの保育士さんが抱える共通の悩みです。でも、現状を正しく把握し、使える制度を知り、一歩ずつ行動することで、必ず道は開けます。

 

あなたの毎日の努力は、子どもたちの成長を支える大切な力です。その力が、正当に評価され、収入にも反映される環境を、ぜひ自分の手でつかみ取ってください。

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